公開日: 2024年6月2日
Active Directoryのトラブルシューティングガイド:よくある問題とその解決策
Active Directory(AD)は企業のITインフラの中核をなす重要なシステムですが、トラブルが発生することがあります。 本記事では、よくあるActive Directory(AD)の問題と確認方法について説明します。 変更を加える前に、発生時刻、対象ユーザーや端末、エラーコード、影響範囲を記録し、原因を一つずつ切り分けてください。
1. ログオン失敗の問題
問題の概要
ユーザーがADにログオンできない。
原因と解決策
- パスワードの期限切れ
- 解決策:本人確認と組織の手順に従ってパスワードをリセットし、必要に応じて次回ログオン時の変更を求めます。
- 確認事項:パスワードの有効期限、アカウントの状態、認証先のドメインコントローラーを確認します。
- アカウントロックアウト
- 解決策:ロックアウト元と失敗の原因を調べてから、組織の手順に従ってロックを解除します。
- 確認事項:古い資格情報を保持した端末やサービス、タスク、モバイル端末に加え、不正な試行の可能性も確認します。
- ネットワーク接続の問題
- 解決策:クライアントがAD用DNSサーバーを参照しているか、ドメインコントローラーの名前解決と時刻同期が正常かを確認します。
- 確認事項:疎通、DNSのSRVレコード、イベントログを確認し、単一の結果だけで原因を断定しないでください。
2. グループポリシーが適用されない
問題の概要
グループポリシーがクライアントPCに適用されない。
原因と解決策
- ポリシーの伝播に時間がかかっている
- 解決策:通常の更新を待つか、影響を確認したうえで対象端末の
gpupdateを実行します。/forceは全ポリシーを再適用するため、常用しないでください。 - 確認事項:
gpresultやグループポリシー結果ウィザードで、適用済み・拒否されたポリシーと理由を確認します。
- 解決策:通常の更新を待つか、影響を確認したうえで対象端末の
- セキュリティフィルターの設定ミス
- 解決策:GPOのリンク先、セキュリティフィルター、WMIフィルター、継承設定を確認し、対象のユーザーまたはコンピューターが適用条件を満たすか確認します。
- 確認事項:変更前の設定を記録し、影響範囲の小さい検証用OUで確認してから本番へ反映します。
- DNS設定の不備
- 解決策:クライアントとドメインコントローラーのDNS設定、名前解決、SYSVOLとNETLOGON共有へのアクセスを確認します。
- 確認事項:外部DNSをADクライアントの参照先へ直接設定せず、組織のAD DNS設計に従ってください。
3. レプリケーションの失敗
問題の概要
ADのレプリケーションが失敗する。
原因と解決策
- ネットワークの不安定さ
- 解決策:
repadmin /replsummary、repadmin /showrepl、dcdiag、Directory Serviceイベントログで、失敗している相手とエラーコードを確認します。 - 確認事項:ネットワーク、DNS、認証、時刻同期、RPC通信を順に切り分けます。
- 解決策:
- サイトリンクの設定ミス
- 解決策:Active Directoryサイトとサービスで、サブネット、サイトリンク、スケジュール、コストが実際のネットワーク構成と一致しているか確認します。
- 確認事項:自動生成された接続オブジェクトを、原因を確認せず手動で削除・作成しないでください。
- NTDS設定の問題
- 解決策:イベントIDと
repadminのエラーコードをMicrosoftの公式手順と照合し、エラーごとの対処を行います。 - 確認事項:強制レプリケーションやメタデータの変更は、障害内容と影響を理解した管理者が実施してください。
- 解決策:イベントIDと
4. アカウントの作成や変更が反映されない
問題の概要
新しく作成したアカウントや変更がすぐに反映されない。
原因と解決策
- レプリケーション遅延
- 解決策:変更を行ったドメインコントローラーと、参照先のドメインコントローラーを確認し、レプリケーション状態を調べます。
- 確認事項:サイト間レプリケーションのスケジュール内か、エラーによる遅延かを区別し、原因を確認せず強制同期しないでください。
- 参照先や認証情報の違い
- 解決策:管理ツールやクライアントがどのドメインコントローラーを参照しているか、既存のセッションやKerberosチケットが残っていないかを確認します。
- 確認事項:影響範囲を確認してから、必要なセッションの再接続や再認証を行います。
まとめ
Active Directoryのトラブルシューティングは、システム管理者にとって重要なスキルです。 認証、DNS、時刻同期、グループポリシー、レプリケーションは相互に関係しています。エラーコードと影響範囲を確認し、変更内容を記録しながら切り分けることが重要です。
自社での切り分けが難しい場合は、ソルブネオへご相談ください。